【実体験】鉄道定期券の区間変更の払い戻しで1,500円損しそうになった話

引っ越しや会社の部署異動で、鉄道定期券の経路が変更になること、ありますよね。

旧定期券の有効期限が残っている場合に行う払い戻しには2種類あり、払い戻される金額が変わることを、知っていましたか?

新しい経路での定期券の購入が発生する場合、最も多く払い戻し金額を受け取れるのは、払い戻しと新定期券の購入を同時に行う、「区間変更」です。

うっかり旧定期券を「不要定期券」として一度払い戻してしまうと、数千円単位で払い戻し金額が減ってしまうことがあります!

特にモバイルPASMOやモバイルSuicaといった、アプリ内で発行した定期券を使用している場合、アプリ内で払い戻しを行うため、「区間変更」として操作をしないと、知らず知らずのうちに損をしてしまうことも。

この記事では、鉄道定期券の2種類の払い戻しについて解説し、新定期券の購入を伴う払い戻しで損をしない「区間変更」の手続き方法をまとめました。

私はこの払い戻し方法の違いを知らなかったために、危うく払い戻し金額が減るところでした。

払い戻しや区間変更は、首都圏の主要な鉄道会社では共通の仕組みですので、鉄道定期券を使用している方であれば、知っておいて損はないと思います。

ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。

目次

「不要定期券の払い戻し」と「区間変更」の違い

「不要定期券の払い戻し」は払い戻しのみ、「区間変更」は新定期券の購入も含む

定期券の払い戻しには2種類あります。不要定期券の払い戻し区間変更です。

違いは以下の通りです。

不要定期券の払い戻し

払い戻しのみ行う

区間変更

払い戻しと新定期券の購入を同時に行う

不要定期券の払い戻しの目的は、名前の通り、不要となった定期券を現金化することです。

区間変更の目的は、新しい定期券の購入です。その際、旧定期券の払い戻しを同時に行います。

払い戻し金額が大きいのは「不要定期券の払い戻し」よりも「区間変更」

定期券の残りの有効期限にもよりますが、大抵の場合、不要定期券として払い戻すよりも、区間変更での払い戻しの方が、払い戻し金額が大きいです。

理由は、払い戻し金額を算出する計算式が異なるからです。

払い戻し金額は、以下の計算式で算出されます。

定期券払い戻し金額の計算式

定期運賃 - 使用済み定期運賃 - 手数料(首都圏の主要鉄道会社は220円)

上記計算式の中の、「使用済み定期運賃」の算出方法に違いがあります。

私の体験をもとに、具体例を次に示します。

【実体験】旧定期券の払い戻し金額に1,500円の差額があった話

ここからは私の実体験から、不要定期券の払い戻しと区間変更、それぞれの場合の具体的な払い戻し金額を算出し、その差を示したいと思います。

私は電車通勤のため、6ヶ月分の定期券を年に2回購入しています。(4~9月、10~3月)

11月に引っ越しをしたため、通勤経路が変わり、新しい経路での定期券を購入する必要がありました。

当時の状況は、以下の通りです。

  • 10月にモバイルPASMOで6ヶ月定期券(10~3月)を41,150円で購入済み
  • 旧定期券を10/1~11/28まで使用し、12/1から新定期券を使用したい

【不要定期券】払い戻し額は 25,690円

不要定期券の払い戻しの計算式

払い戻し金額 = 定期運賃 - ( 1ヶ月定期運賃 × 2 ) - 手数料

41,150円 - (7,620円(1ヶ月の定期運賃)×2) - 220円

= 41,150円 - 15,240円 - 220円

25,690円

不要定期券の払い戻し金額の算出方法は、支払い済みの定期運賃(41,150円)から、使用済みの2ヶ月分の定期運賃(15,240円)と手数料(220円)を引きます。

使用済みの2ヶ月分の定期運賃は、1ヶ月分の定期運賃(7,620円)に2を乗じて算出します。注意すべきは、支払い済みの6ヶ月の定期運賃(41,150円)÷6ではないところです。

また、使用済み定期運賃は月単位での計算です。例えば10/1から6ヶ月定期券の払い戻しを11/2に行う場合、2ヶ月分の定期運賃として計算します。

【区間変更】払い戻し額は 27,190円

区間変更の払い戻しの計算式

払い戻し金額 = 定期運賃 - ( 1旬相当額 × 使用旬数 ) - 手数料

41,150円 - ((41,150円 ÷ 180日 × 10日) × 6旬) - 220円) ※1ヵ月=3旬

= 41,150円 - 13,740円 - 220円

= 27,190円

区間変更で払戻す場合、計算式は少し複雑になります。1旬相当額って?使用旬数って?と思いますよね。

1旬相当額とは、10日分の使用済みの定期運賃のことです。算出方法は、支払い済みの6ヶ月の定期運賃(41,150円)を日割り(÷180日)にし、10日分の10を乗じます。

使用旬数とは、10日を1旬とし、1旬に満たない日の端数は1旬とします。1ヶ月と1日使用した場合の使用旬数は、4旬となります。1ヶ月は3旬(1旬=10日)です。

この例では、定期券を10/1~11/28まで使用したので、使用旬数は6旬となります。

こうして、1旬相当額を基準に、実際に使用した定期運賃を10日間単位で算出するため、前述の不要定期券の払い戻し金額よりも、1,500円(27,190円 - 25,690円 多く払い戻される結果となりました。

区間変更の手続き方法

区間変更を行う場合、定期券がICカードかアプリか、新旧定期券の鉄道会社が異なるかどうかで、手続き方法が変わります。

ICカードの定期券の場合、定期券の販売窓口へ

ICカードの定期券をお持ちの場合は、駅にある定期券販売窓口で区間変更を行うことができます。

その際、払い戻しと新しい定期券の購入を同時に行う、「区間変更」をしたいと伝えると、間違いないでしょう。

モバイルSuicaの場合、アプリ上で手続きまたはWeb申請

旧定期券と新定期券のパターンによって、区間変更の手続き方法が異なります。詳しくはJR東のこちらにまとまっていますので、確認してみてください。

ざっくりまとめると、アプリ上で手続きが完結するものと、Webからの申請(定期券予約購入)が必要な場合に分かれます。

モバイルPASMOの場合、アプリ上で手続きまたはWeb申請

モバイルSuicaと同様、旧定期券と新定期券のパターンによって、区間変更の手続き方法が異なります。詳しくはモバイルPASMOのこちらにまとまっていますので、確認してみてください。

  • 新旧定期券の鉄道会社が同じ場合、モバイルPASMOのアプリ上で手続き可能
  • 新旧定期券の鉄道会社が異なる場合、モバイルPASMOサポートセンターへ申請が必要

【体験談】モバイルPASMOサポートセンターへの申請からアプリ上での購入操作の手順

モバイルPASMOサポートセンターへ申請が必要なパターンの区間変更の流れを、私の実体験から参考に記します。

私の場合、新旧定期券の鉄道会社が異なったため、モバイルPASMOサポートセンターへの申請(定期券予約購入)が必要でした。

STEP
モバイルPASMOサポートセンターへ申請する

Web上で申請を行います。

申請内容は、モバイルPASMOに登録している会員情報、新旧定期区間や新定期券の利用開始日等です。

STEP
モバイルPASMOアプリで新定期券を購入する

利用開始日の前にサポートセンターからメールが届きます。(私は利用開始日の前日でした。)

内容は、モバイルPASMOアプリ内で新定期券の購入手続きが行えるようになった旨と、その操作手順についてです。

【購入操作手順】 ※改札内では操作できません。

① Apple PayのPASMOアプリ/モバイルPASMOアプリにログイン。
② 「定期券購入・PASMO管理」画面で「定期券」を選択。
③ 「定期券の予約があり購入してください」と表示が出ますので「OK」をタップ。
④ 予約定期券購入画面で、購入する区間と経路を確認の上「次へ」をタップ。
※ ご希望の内容と異なる場合は「予約解除」へ進み、再度同じフォームよりご申請願います。
⑤ 使用開始日・期間選択画面で、ご希望の設定を入力し「次へ」又は「確認する」をタップ。
⑥ 定期券購入内容確認画面で、もう一度購入内容を確認の上、クレジットカード決済します。
※ この時点で間違いに気づいても「購入しない」をタップして、手続きを中止できます。
 下記リンク(よくあるご質問)をご参照の上、購入操作をお願いします。
Apple(iPhone, Apple Watch)> https://support.mobile.pasmo.jp/faq/show/717?site_domain=app
Android> https://support.mobile.pasmo.jp/faq/show/255?site_domain=default

モバイルPASMOサポートセンターからのメールの一部を抜粋

手順通りにアプリ上で購入操作を行うと、登録したクレジットカードに旧定期券の払い戻し金額が返金され、同時に新定期券の金額が決済されます。

注意すべきは、モバイルPASMOサポートセンターへの申請は余裕をもって行うことです。

新定期券利用開始日の1週間前までに申請できていれば十分だと思いますが、あまりにぎりぎりだと、利用開始日に間に合わないだけでなく、払い戻し金額にも影響がある恐れがあります。

おわりに

鉄道定期券の2種類の払い戻しについてと、「区間変更」の手続きについて解説しました。

定期券の区間が変わる場合は、「区間変更」で払い戻しを行うことをぜひ覚えておいてくださいね。

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この記事を書いた人

30代文系未経験でシステムエンジニアに転職して5年目。働く時間と場所の自由を目指して副業始めました。

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